相手に気持ちよく動いてもらうメールのコツ【必須ビジネスマナー】

email-top-picture 会社員のスキル

こんにちは。りっきー塾長です。

みなさん、仕事で毎日のように「ビジネスメール」を打っていると思いますが、自分の”日本語力”がアリさん並みに弱すぎたり、相手への配慮が三日月並みに欠けまくって、結果痛い目にあったことはありませんか?

(学生の皆さんは、痛い目にあっている自分を想像して読んでみてください)

この記事を読むと、以下の効果が得られます。

  • 相手をイライラさせる「ダメダメメール」に共通した症状がわかる
  • なぜそれが「知らないうちに相手をイラっとさせているか」「イマイチ伝わらないか」原因がわかる
  • 10分後、記事を読んだ後は、その対処法が分かって、けっこうスッキリする

今はちょっと昔と違い、LineやTwitterなどSNSで、学生時代から気軽に「意見を文字で発信」することができる時代です。

しかし、その感覚の延長で、何も勉強せずに仕事の場面でビジネスメールを打つと、ほぼ100%痛い目にあうことができます。

今回は、ビジネスにおいて「地雷を踏まず」「相手をいやな気持にさせず」仕事をうまくさばくためのメール術についてご紹介したいと思います。


※始めてこのブログを読む人のために、私りっきー塾長は何者か?を少し解説します。興味がある人だけ読んでいただければ。すぐに本文を読みたい方はコチラ

Who is りっきー塾長?

私はいわゆる大手製造業に勤める、社会人約20年の現役管理職です。

有名国立大学を出ていますが、自分の社会人としてのアホさに目覚め、入社2年目から「文章作成(ライティング)」などいわゆる仕事術・ビジネススキルを学び始めました。

1500冊以上のビジネス書を読みながら、仕事の場面でのイタイ失敗から学び続けています。

今では、メールやレポートをはじめとした文章作成/資料作成や、基礎的なビジネススキル育成のための私塾を主宰しています。

公式の社内セミナー講師としても活動し、通算20回以上、参加者延べ200人以上のセミナー実績があったりします。


【事実】なぜメールひとつであなたの「仕事力と知性」がバレてしまうのか?

いきなり残酷な事実を言ってしまうと、メール一つで、あなたの「仕事力」と「知性」がけっこうバレバレになります。

なぜかというと、メールは「小さい仕事のユニット」だからです。

もっと突っ込んで言うと、メールには「相手にアクションをしてもらう」とか「相手の認識を変える」という、わりと大切な目的があるということです。

明確な目的がないメールは、そもそも不要です。これを勘違いしている人がけっこういますが、これは後ほど解説します。

仕事では、相手に「何かの行動を促す」とか、「あるタスクをお願いする」など、相手に動いてもらうために、メールを出すことが多いです。

なかには「ただ情報を伝える」というのもありますが、その場合でも、情報をインプットしてもらい、仕事の前提条件にしてもらうなど、「今後の行動のための事前情報」という意味合いが含まれていることが多いです。

まずは仕事の場面でよくある「ダメダメな例」を一緒に見ていきたいと思います。

これを読んでみて、「あ、これ、思い当たりまくる(汗)」と思った人は、この記事を読んで損はないと思います。

では一緒に、学んでいきましょう!

よくあるダメダメメールの3つの症例

症例1)「何をして欲しいのかさっぱりピーマン」症候群

繰り返しますが、ビジネスにおけるメールは、必ず「明確な目的」があります。

例えば「〇月〇日までに、調査してフォーマットに記入して、返信してほしい」などの「人にあるアクションをお願いする」などです。

しかし、礼儀正しく思いやりがあり、人の迷惑をいつも考えてしまうような「優しい心」を持ったあなた。

そんなやさしい人に多い症状が、「優しすぎて、相手への依頼をストレートに表現できない」という病です。

典型的な症例はまず「お疲れ様です。お忙しいところ誠に恐縮でございますが」という、ちょとした長い分から始まることだったりします。

続いて「忙しいのにこんな面倒くさいことお願いして、ほんっっっとうにすいません」的な謝罪がけっこう長めにつづられます・・・。

仕事は「期限」が大切ですが、これも相手への気遣いから、あいまいにしてしまいます。

「できれば早めに提出いただけると幸いです」など、相手を気遣って、日時を明確に書かないとか、典型例です。

もっと気遣いのできる人は、内容もあいまいにしてしまい、「お忙しい場合、できるだけの対応で結構です」なんて、そもそも何を依頼したいのかまで「モヤっと」させてしまったりします。

こんな症状におちいったことのある人、また周りにこういう人がいるという人は、ぜひこの記事を読むことをオススメします。

症例2)「とにかく無駄に長い。ってか広辞苑か?症候群」

”オイオイ、その長さ、辞書か?広辞苑もびっくりするわ” っていうやつです。

この症状のあるある事例について、3つほどご紹介します。

❶ 背景とか経緯の説明が長い

なんか会社の方向性とかプロジェクトの動向とか、上司の指示内容とかが、最初にけっこう長めに披露される、とかです。

肝心の「何をしてほしいのか」という主題に、20行くらい読んでもたどり着きません。

これは結構年配の人に多い症状です。若い人はTwitterなどで「字数制限のなかで表現する」という訓練をしているので、わりと少ないイメージです。

こういう「どこからが主題かわからん」めーるは、読者を迷宮入りさせます。

「遊園地無料ご招待」ならうれしいですが、メールで「読者をラビリンス(迷宮)に招待する」のはあまり喜ばれません。

❷ やってほしい内容が箇条書きになっていない

メールはぶっちゃけ、メインコンテンツである「やってほしいこと」だけが書いてあれば、それで目的というか機能は果たせます。

「依頼したい内容」「期限」「提出先/連絡先」

基本的にはこれだけでOKなはずです。

ただこれだけだと冷たすぎ、血イ通ってんの?アンタ?って思われるので、ちょっと丁寧に、依頼した背景とか、「お願いします!ペコリ」的な語句を付け足しているのです。

メインコンテンツが一番大切でありキモなので、何をしてほしいメールなのか、「パット見て分かる」状態じゃないといけません

いくらあなたに表現力があったとしても、長い文章の中に「埋もれさせて」はダメなのです。 この場合、例えば「箇条書き」が効果を発揮します。

❸「改行さん」はどこに消えた?

「私の辞書に改行は無い」を座右の銘にしてますよね?っていうようなメールです。

これもどちらかというと年配の人に多い症状です。

しかし若い人も気を付けないといけません。

スマホでTwitterするときには、画面が小さく、勝手にコンパクトに収まるので特に改行に気を使う必要はありません。しかしパソコンでは、改行がないと延々と文章が横に伸びますので、だらしがないイメージになります。

1行の文字数はどの程度がいいのか?については、どのくらいが美しいと感じるか個人差がありますが、私は40文字くらいで改行するようにしています。

症例3)「お涙チョーダイ。同情されたい症候群」

「私はこんな面倒なこと、本当は頼みたくないんですけど、どうしても上司が/会社の/方針でやらなくてはいけなくて。。私を恨まないでくださいネ。私も被害者なんです!」というのをアピールしてしまうやつです。

会社では、相手が嫌がったり、めんどくさがったりすることでも頼まなくてはいけない場面があります。

そこで依頼側のあなたが、相手と同じ側に立って「被害者ヅラ」したところで、相手は何にも得をしませんし、あなたが救われることはありません。

むしろあなたの「人としての信頼性」が少し減る、という逆効果を生みます。

会社の指示だろうが上司の命令だろうが、それを依頼するのは「あなた」です。

”人にお手数をかけるのは私のせいではない”という「逃げ」は、カッコ悪いです。

これはわりと、年代問わずやっちまう人が多い症状なので、気を付けましょう!

相手に意図が伝わり、気持ちよく動いてもらう「メール」とは?

では、どうすればいいのか?

ここからは具体的に、対処法を紹介していきます。

メールに限らず、「文字や文章」で相手とコミュニケーションを取るうえで役に立つ情報が書かれていると思いますので、参考にしてみてください。

【最重要】メールには「明確な目的」と「仕事の動画のイメージ」が必要

大事なことなので繰り返しますが、メールには必ず「明確な目的・意図」が必要です。

私も昔、ここをかなり間違えていたのですが、基本的にはメールは「アクションを促す」のが目的なんですよね。

ここを勘違いしている人が本当に多い。

例えば「今回、会社で〇〇という取り組みを開始しました。ご承知おきください」

というのは、厳しめに言うと「ダメダメ」なメールとなります。

「ご承知」した後に、どうするのか?

例えば、それを踏まえたうえで、1週間後に何か具体的なアクションが始まるのか?

そのために事前に準備しておくことがあるのか?

特定の部署や誰かが、すでに動いているのか?

情報提供だけでは、「配慮が足りない」ということです。

仕事は動画でイメージする

仕事は関係者全員が「うまくつながって、連続的にアクションを起こし続ける」ことが大切です。

自分が発信するメールで、「誰が、どの部分で動くのか」という「動画」がイメージできることが大切です。

仕事を「静止画」でイメージするだけでは、その前後左右のつながりが想像できません。

ぜひこの、「一連のタスクを動画で」イメージする癖をつけましょう。

そのうえで、誰に、どういう情報やお願いをしておくべきか? メールは、それぞれのメンバーの「動画」を、うまくつなげるためのツールだと考えましょう。

コミュニケーションにおける ”非対面” と ”対面” の 「3段構え”」の法則

メールで楽をすると「あとで痛い目にあう」という話

メールって、楽なんですよね。

「だって、座って指を動かしてキーボード打って、はい、送信!ってするだけで、人が動いてくれるじゃないですか」

などと思っちゃう時、ありますよね。

ただ会社では、特に若い時には、これするともれなく「怒られる、嫌われる」という効果がありますので、気を付けましょう。

”なんだあいつは。説明もなく、いきなり「これやれ」か!”

”こっちだって、暇じゃないんだ!ちょっと文句の一つでも行ってやろう・・・”

となりやすいです。

何となくイメージできますよね?

”直接”と”非直接”コミュニケーションの「いいバランス」

ただ、「直接コミュニケーションが大切だ!」と言って、何の準備もせずに、勇気をもっていきなり会いに行くのもちょっと違うかな?と思います。

「え?何の話?初耳だけど。ってか忙しんだけど」と冷たく塩対応されるハメになります。

現代人はみな忙しいので、相手の「いま、この時間」を奪う「直接コミュニケーション」つまり会いに行くとか電話は、頻発すると迷惑になります。

そこで、メールなのです。

メールの一番いいところは、相手の都合に合わせて、「読みたいときに読める」というとこです。

メールという”書いたもの”で「全体像」を見せる

しかもうまく書くと、そのタスクの「全体像」をざっと知ることができます。

また必要に応じて添付資料などを付けることで、「けっこう多めの情報」も共有できます。

この、メールの持つ「相手の都合に合わせて読める”任意性”」「タスク全体を説明できる”一覧性”」「必要に応じて資料など添付できる”詳細性”」を、フルに活用するのです。

話す⇒聞くという「会話」だけでは、なかなか話の「全体像」をつかむことができません。

メールという「書いたもの=文章」で全体を理解してもらい、そのうえで、メールでは表現できない「行間」や「人としての温かみ」を、直接会って話をすることで補うのです。

私はこれを、メールを駆使した「3段構え作戦」と呼んでいます。

以下、この「3段構え作戦」を解説します。

パッと見めんどくさそうに見えますが、効果抜群なので、ぜひ試してみてください!

メールを駆使した「3段構えの術」で相手を怒らせない!

❶段目:非対面|まず依頼したい内容をメールで送信する

❷段目:対面|その後で、依頼した相手に会いに行く

❸段目:非対面|ダメ押しの「お礼メール」

❶段目:非対面|まず依頼したい内容をメールで送信する

まずは依頼したい内容について、メールを作成して送信しましょう。

この時に気を付けることは、以下の5点です。

  1. 「背景」/「経緯」を短くてもいいので入れる
  2. 「依頼内容」「希望期限」「提出先」を必ず明記する
  3. その情報の「使われ方」(どこで、誰に提出?など)も記載!
  4. 「その後の展開」があれば、それも簡単に頭出ししておく
  5. できるだけ簡潔に、「箇条書きを駆使」する

❷段目:対面|その後で、依頼した相手に会いに行く

今なら、ZoomやTeamsなどのWebミーティング、もしくは電話でもいいかもしれません。

短い時間でもいいので、相手とFace-to-Faceで会話をするということです。

相手がまだメールを見ていない場合

メールを開いてもらって、文面を見てもらいながら、口頭で簡単に説明するのがベターです。

相手はあなたの話を聞きながら、文字情報で確認できるので、タスクがイメージしやすくなります。

相手がすでにメールを見ている場合

同じく、まずは簡単に口頭で説明してみましょう。

相手が内容をそれなりに理解している場合、「あ、わかったから、いいよ。ひとつ質問だけと、これは〇〇というやり方でいいのかな?」などと、質問してくるでしょう。 あなたはそれに答えながら、「相手の不明点に答える」というスタンスでいいです。

直接会いに行く最大の効果

人間が「不快」とか「怒り」を感じるのは、「WhatではなくHow」であることが多いと、組織行動論や認知科学の分野では、よく解説されています。

つまり、「何を言われたか(内容・コンテンツ)」ではなく、「どのように言われたか(言い方・伝え方)」が気に食わないから、人は怒るのです。

仕事ですから、イヤな事もやらなければいけません。でもそれはみんな、分かっているのです。

それでも「まあ仕方ない、やってやるか」となるのは、相手が気持ちの上で「納得」したからです。

自分ではきちんと仕事を「説明」したつもりかもしれませんが、人間は感情の動物です。

相手に「納得」してもらわないと、気持ちよく動けないのです。

あなたが、必要かつ十分で、簡潔で読みやすいメールを事前に送って、さらに直接会いに来て、頭を下げに来た。

直接話すことで、「ちょっとした勘違いやボタンの掛け違い」も解消した。

めんどくさいけど、まあしゃーないか。やったるわ。 「認識のズレ」を解消し、相手を「納得」させる、それが直接話すという最大の効果です。

❸段目:非対面|ダメ押しの「お礼メール」

最後に、ダメ押しの「非対面」メールでクロージング。これが最強に効果的です。

依頼した仕事を相手が実行してくれたり、提出してくれたら、なるべくすぐに「お礼メール」をするのです。

「なるべく早く、できれば即レス」がおススメです。

なぜか?

相手が一番に気にするのは、無事受け取ってくれたかな? 相手の要求に沿った、過不足ない内容だったかな?ということです。

だから、まだ詳細内容は確認できていないにしろ、「まずは確かに受け取った」「まずは大間違いではないです」ということを、お礼とともに伝えて、相手を安心させることが、何よりも大切なんです。

もし内容に不備があるなら、その後で「少し教えてください」と聞けばいいのです。

これを淡々と続けていくと、「なんか彼と仕事をするのはイヤな気がしない」と思ってくれます。これが積み重なると、あなたの信頼になります。

人を動かすにはロジック(論理)とエモーション(感情)が必要

さいごに、人間は何によって動くのか?という、すこし哲学チックな話をしようと思います。

人間は機械ではありません。感情があり、感情で動く生き物です。

タスクが「理解」できるから、仕事をするわけではないのです。

人間は、自分の頭で意味合いや価値を「納得した」ときにしか、動きたくない生き物なのです。

よく、仕事とか報告書にはロジックが大切だ!と言われますが、私は片手落ちだと思っています。

エモーション(感情)への配慮がないと、ただの「強制依頼」「強制執行」になってしまう、ということです。

これは、「人を動かす文章術」(齋藤孝、講談社現代新書)でも同じようなことが書かれています。

これを理解しないままに人の上司になると、「パワハラ上司」と訴えられます。

パワハラは「ロジック」だけで生きてきて、「エモーション」のケアが足りないことから起きます。

最近、在宅勤務中に「1時間おきに、仕事サボってないか上司がLineで確認してくる」というパワハラまがいを受けたというニュースがありました。これなんかも典型的な例ですよね。

上司は部下の仕事のチェック(管理)をするのが当たり前の理論だろ?と思って、それをされる部下の気持ちを考えない、感情に配慮しないと、こういう行動になってしまいます。

仕事を依頼する場面でも、まずはメールや文章でロジック(論理)を伝えたうえで、会話や声でエモーション(感情)のケアをするという、人間として温かみのある行動をしていきたいですよね。

今回の記事のまとめ

  • メールには明確な「目的」と「意図」がある
  • それを「簡潔に」「箇条書きも駆使して」書く
  • 自分を被害者にせず、自分の責任でお願いする
  • 非対面→対面→非対面で、気持ちよく仕事をしてもらう
  • 人を動かすにはロジック(論理)だけではなくエモーション(感情)のケアが必要

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